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水素社会とは。工業用水素について解説, PST23-10

LdetekMichell InstrumentsNtron Gas Measurementアプリケーションノート基礎小話水素脱炭素

 

水素社会とは。工業用水素について解説, PST23-10

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現在、日本の経済活動は化石燃料にエネルギーの大部分を依存しています。脱炭素社会へ歩みを進める中、新たなエネルギーとして「水素」が注目されています。この水素とは、「工業用水素」のことを指します。工業用水素の種類や電解槽を用いた製造について簡単にご紹介します。

 

1. 8種類の工業用水素

欧米では工業用水素ガスは、大きく8色(下表参照)に分けて考えられています。この色の定義は、水素の製造方法をベース定義され、ドイツ政府による国家水素戦略(The National Hydrogen Strategy)に基づいています。
 
PST23-06_1 脱炭素における水素社会において、注目されているのは「グリーン水素」ついで「ブルー水素」です。
 
グリーン水素は、電気分解に依る再生可能エネルギーで製造され、二酸化炭素を排出しません。化石燃料および天然ガス由来のブルー水素は、炭素回収貯留技術(CCUS)を使用して製造され、排出される二酸化炭素は地下に埋蔵され大気放出をされないので、低炭素とみなされています。
 
ブラウン水素およびグレー水素は、炭化水素を用いて製造されています。比較的に生産が容易(従来の工業用設備にて副産物として製造可能)で、グリーン水素に比べると安価なのが特長です。

水素の色分け

グリーン水素 再生可能エネルギー(太陽光や風力など)源からの電力を用いて水を電気分解し製造される。電解槽は、電気化学反応を利用して水を水素と酸素の成分に分解し、その製造プロセスで二酸化炭素が排出されない。
ブルー水素 水蒸気改質法を用いて主に天然ガスから生成される。出力は水素だが二酸化炭素も副産物として生成されるため、ブルー水素の定義を満たすために二酸化炭素を捕捉して貯蔵するためのCCUSが含まれる。水蒸気改質プロセスが温室効果ガス発生を回避しないので「低炭素水素」とも呼ばれる。
グレー水素 水蒸気改質法を用いて天然ガスまたはメタンから生成され、製造プロセスで温室効果ガスは捕捉されない。基本的にグレー水素は、ブルー水素と同じ製造プロセスを踏むが、二酸化炭素の捕捉と貯蔵を実施していない。
ブラウン(ブラック)水素 水素製造プロセスで黒炭または亜炭 (褐炭) を使用する。
また、化石燃料を用いて「ガス化」のプロセスから作られた水素は、ブラック/ブラウン水素と同じ意味で呼ばれることもある。
イエロー水素 太陽光発電を利用した電気分解により生産される水素で比較的新しい色分類。
ピンク(パープル)水素 原子力エネルギーを利用した電気分解によって生成される。さらに、原子炉からの高温(熱エネルギー)を利用して、より効率的な電気分解または天然ガスベースの水蒸気改質プロセスの蒸気を生成することで他のカラー水素生産に使用できる
ターコイズ水素 メタン熱分解プロセスを用いて水素と個体炭素を生成する。将来的に熱プロセスを再生可能エネルギーで駆動され炭素が永久に貯蔵(または使用)されるかどうかに応じて低排出水素として評価される可能性がある。
ホワイト水素 地下堆積物の天然の地質水素で、フラッキング(水圧破砕法)によって取り出され、利用されていない。
日本においては、主に工場からの副生水素を指す。

 

2. 工業用水素の供給源

工業用に生成される水素(H2)の原料の多くは、化石燃料に由来しています。
水蒸気改質法は、化石燃料を水蒸気で加熱し、水素と二酸化炭素を生成する熱化学プロセスです。ブルー水素は天然ガスの改質プロセスから生成され、ブラウン水素はガス化された石炭から生成されます。どちらの方法をとっても二酸化炭素が副産物として生成され、大気放出か別のプロセス(食品添加ガスへの転用)で使用するために収集されます。
 
現在、天然ガスを使用した水蒸気改質法を用いた水素生成から水の電気分解を利用した製造手法へと移行されつつあります。多くの国において電解槽で使用される電力の供給源は、再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、バイオメタン燃料)が主流です。電気分解に必要な電力エネルギーは、水素製造コストの約75%におよぶため再生可能エネルギーへの移行が顕著になっています。
 
再生可能エネルギーを使用して製造された水素はグリーン水素と呼ばれ、電気分解に大きなエネルギーを必要としますが、使用する再生可能エネルギーはブルー水素やグレー水素とは異なり二酸化炭素を放出しません。
 
水素は、バイオマスのガス化からも生成することができ、非常に高温(700℃)プロセスですが燃焼はありません。プロセス内の酸素と水蒸気量を制御し、一酸化炭素と水素を生成します。この合成ガスは、燃焼によりタービンへの供給電力として使用されます。バイオマスを用いた方法では、二酸化炭素の排出量を抑えるために炭素回収システム(CCUS)と組み合わせる必要があります

 

3. 電解槽技術の発展とグリーン水素の生産

電解槽技術は急速に発展しています。化石燃料を用いた水素生成に代わり、副産物である二酸化炭素の排出量を削減しています。この分野の発展は、政府主導の「脱炭素社会」への各種要件により推進されています。
燃料電池は、水素と酸素を電気と水に変換します。この過程で発生する熱は、大規模施設においてコージェネレーション(熱電併給)として発電用の蒸気タービンを駆動するために使用されます。
 
PST23-10_2 簡単にいえば電気分解法による水素生成は、「電解質にDC電流を流すと陰極と陽極に化学反応が起こり、陽極での参加により酸素が陰極での還元により水素が生成される」手法です。
電気分解は、1880年にAlessandro Volta(アレッサンドロ・ボルタ)が酸を媒介とした初期の電柱を開発したときに電流が流れると電柱の極に酸素と水素が出現することに気づきました。その後、Humphry Davy(ハンフリー・デイビー)とMichael Faraday(マイケル・ファラデー)により、さらなる研究がなされ確立されました。

 

3-1. アルカリ電解槽(AEL)

PST23-10_3 純水は、必ずしも電気分解に適した媒体ではありません。最新の電解槽では、より良い反応を示す水酸化カリウムと水酸化ナトリウムが使用されています。
水酸化イオンは、電解質を通過して陰極から陽極に移動します。水素は陰極で生成され、酸素は陽極で生成されます。この製造方法は「アルカリ電解」と呼ばれ、温度範囲 70-90℃、圧力 約30barで稼働します。
 

 

3-2. 高分子電解質膜 (PEM) 電解槽

PST23-10_4 水を陽極で反応させて酸素と正電荷の水素イオンを形成すると、イオンはイオン電導膜を横切り陰極に移動します。これらのイオンは、回路を流れる外部電子と再結合して水素ガスを生成します。従って、酸素は陽極で生成され、水素は陰極で生成されます。この手法は、非常に純度の高い水素の生成が可能です。
 
 

 

その他の水素製造方法の開発

・光電気化学 (PEC) および光生物学
光エネルギーを利用して水を水素と酸素に分解します。現在、実験段階です。
PEC は、電解質に浸された太陽電池に似たパネルを利用します。太陽エネルギーを利用して水より電解質の分解を引き起こします。光生物学の観点を交えて微細藻類またはシアノバクテリアと太陽光を利用し、水を水素と酸素に分解します。

 

4. PSTグループの水素および酸素製造用プロダクト

製造プロセスの様々な段階で水素と酸素の両方の品質を保証する製品を提供しています。
 
・電解槽の出口
O2中のH2の測定用:Michell XTC601 
H2中のO2を測定用:Michell XTP601 
XTPシリーズとXTCシリーズは、両方ともSIL2定格にすることができます。
 
・水素製造後
乾燥ガスしている場合、低ppm O2(<10 ppmV)と露点(<-50℃dp)の確認が必要です。
 
推奨製品:
Michell Easidew PRO XP  は、-110から+20℃dpまでの露点測定に対応しています。
Michell XTP601 Oxygen Analyzer  は、0~0.5%O2から90~100%O2までの範囲を選択できます。
 
高純度H2の場合、製造工場では製造ガスの乾燥具合および酸素レベルが特定のppm条件を下回かどうかのモニタリングが求められます。この用途にはMichell Easidew Pro IS  /Pro XP  とNtron Minox-i ppmセンサー  が最適です。 水素ガス中の微量不純物の監視には、LDetek HyDetekが適しています。HyDetekは、燃料電池で使用する水素の ISO 14687 part2 に適合した水素中の微量不純物を1兆分の1未満まで測定することができます。また、リークチェックの目的で水素中のN2を測定し、パイプのパージプロセスにおいて残留N2の確認も可能です。

 

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