鏡面冷却式水分(露点)測定テクノロジー
鏡面冷却式水分測定は経年変化が非常に起こりにくく、最高峰の精度と安定性を誇ります
鏡面表面の霜形成の状態から露点温度を求めることから鏡面冷却式露点計を呼ばれます。
鏡面冷却式は露点の測定原理に基づいています。
計測器内に設置されたよく研磨された鏡面を冷却し、気体を一定の流速で鏡面上に送り、鏡面の結露または霜の発生を光学的に検出し、その時の鏡面温度を温度センサーで読み取ります。 鏡面上に結露(霜)が形成された時の温度を露点温度となります。
昔は、結露が形成された時の温度を温度計で「目視」で判断していましたが、「目視」はどうしても担当者ごとの誤差が大きく正確さに難があるため、近年では光学的に測定されています。
鏡面冷却式露点計は測定原理に基づいているため、一次標準機としての設置例が多く、高精度であるため研究開発用途などで選択されます。 静電容量式と同程度の測定範囲をもち、高精度と高速応答が特長ですが、極低露点域(-100℃dp以下)や高露点域(+60℃dp以上)の測定には不向きです。
鏡面冷却式水分(露点)測定テクノロジー
ミッシェル社の鏡面冷却式露点センサーは、精密に研磨された金属 表面(鏡面)がペルチェ式サーモ・エレクトリック・ヒートポンプにより、サンプルガスの露点温度に到達するまで冷却されます。 鏡面温度が露点温度に到達すると、鏡面上に結露が生じます。(0℃ 以下は霜点)
電気光学回路は、光源の可視赤色発光ダイオード❶と検出部の高感度フォト・ダイオード検出部❸.❹で構成され、水分の凝結形成を検知します。光源LED❶から放たれた光はミラー表面❷で反射し、光の強さが減少します。鏡面からの赤色線反射密度の減少(反射率の変化)は機器制御回路にフィードバックされ、ペルチェ素子❻の冷却パワーが変化します。
ミッシェル社の鏡面冷却式露点計は、特性劣化の少ない機器としてガス中の水分計測と校正の標準器として選ばれています。
❶ 光源LED
❷ 鏡面
❸ 反射ビーム検出用フォト・センサー
❹ 散乱ビーム検出用フォト・センサー
❺ 光源輝度制御用フォト・センサー
❻ ペルチェ冷却部
❼ 高精度PT100Ωセンサー
❽ ベース温度制御部 スターリングクーラ―(RS)
鏡面冷却式水分(露点)測定テクノロジーの長所と短所
長所 |
短所 |
露点測定原理に基づく
絶対高精度
経年変化がない
|
冷却器のメンテナンスコスト大
初期導入コストが高い
大きな露点変動に不向き
|
校正周期について
露点計はメンテナンスフリーの測定器ではありません。 測定値に高い信頼性を維持するためには、定期的に校正をすることを推奨します。 鏡面冷却式露点計の校正周期は使用環境下によって異なります、校正周期の決め方についてはミッシェルジャパン株式会社までお問い合わせ下さい。
鏡面冷却式水分(露点)測定テクノロジーの測定原理まとめ
- 露点の測定原理に基づいている
- よく研磨された鏡面表面に形成された結露(霜)の形成状態から露点温度を測る
- 光学式(発光ダイオード)により、鏡面上の水分の凝結状態を検知する
- 鏡面上の水分の凝結状態により光の反射率が変化し、ペルチェ素子の冷却パワーが変化する
- 機器の露点温度は水分発生器により規定された基準露点に対して、上位標準器と比較校正された目盛り付けにより決定される(校正)
Michell Instruments社の鏡面冷却式露点計について
ミシェル社の鏡面冷却式露点計は、水分管理が重要なアプリケーション向けの水分測定器です。
露点測定の基礎原理である鏡面冷却式は、非常に信頼性が高く安定した測定を提供するフィールド機器として、または実験室/研究室などの基準器用途として使用できることを意味しています。 ミッシェル社の鏡面冷却式露点測定器は、測定原理に基づいています。
鏡面冷却式露点計 S8000シリーズのポイント
-
感 度
-
ミッシェル社の鏡面冷却式露点計はppb(1/10億)の感度をもっています。
-
基本的検出構造
-
鏡面冷却式は熱力学的な基礎に基づいた1次検知方式なので、高精度の第2標準器として広く採用されています。
-
精 度
-
TRS4000のノウハウよりペルチェ素子の制御アルゴリズムが向上し、霜の検出感度が良くなりました。
-
DCC 機能 (鏡面汚染誤差自動補償システム)
-
鏡面上の汚染状態や光学バランスを管理し、機器の正常な安定動作や精度の維持をアシストします。
-
安定性
-
ペルチェ素子の制御能力向上に伴い、霜形成の維持制御が繊細になりました。
-
FAST 機能
-
制御アルゴリズムを介して霜点予測をすることで鏡面上に霜点状態を作り、過冷却水の発生を予防して測定誤差を最小限にします。
-
トレーサビリティ
-
ミッシェル社の全ての計器は国際標準にトレーサビリティを確立しているので、相対湿度・露点計測装置の校正にも使用できます。